
東京都内で、東大・早慶・国立レベルへの進学にこだわらず、その上、高校受験を「都立進学」にこだわらず「私立推薦」を軸に考えると、思っているよりずっと見通しが立てやすくなります。
このブログでは、これまで中学受験の良さをたくさん書いてきました。その考えは今も変わりません。
しかし、現在、次男の高校受験を進めていて、正直、感じていることがあります。
- 「都内にいると、中学受験より高校受験の方が楽な部分が結構あるなぁ」
ということです。
中学受験が「1点で勝負が決まるため、その1点をライバルよりも多く取るために努力する」という状況なのに対して、高校受験は「それなりの学校であれば学校推薦でスムーズに進学できる」という状況があります。
ポイントは3つです。
- 都立ではなく私立を第一志望にすること。
- 一般入試ではなく推薦で進めること。
- そのために、普段の勉強と生活をきちんと積み上げること。
この記事は、「高校受験をどう進めればいいか分からない」「塾に大きなお金はかけられない」というご家庭に向けて書いています。
別記事「東京23区在住、中学受験しない『中間層』家庭にとっての最適な高校受験戦略」の続編として、今回は「具体的にどう進めるか」をまとめました。
この記事を読んでわかること
- 東京23区在住の“中間層”家庭にとっての無理のない高校受験戦略について筆者の意見を解説していきます。
都立ではなく、私立を第一志望に据える

東京都在住の高校受験家庭の大半は、「都立高校進学」を第一志望に考えていると思います。
しかし、都立ではなく私立を第一志望にすると、推薦での進学の道がかなり広がります。
内申を取る努力が最も結果につながるのが「私立推薦」
推薦入試の最大のメリットは、入試当日の一発勝負にならないことです。
都立の一般入試は、当日の学力検査と内申点(調査書点)を7対3で合計し、スピーキングテスト(ESAT-J)の20点を加えて合否が決まります(東京都教育委員会)。
つまり、内申をどれだけ頑張っても、7割は当日の点数で決まるということです。
一方、私立の推薦は、学校が示す内申の基準を満たしているかが出発点です。
試験は面接や作文が中心で、学力試験のない学校が多くあります。
内申を取る努力が一番まっすぐ結果につながるのは、私立推薦だと思います。
ルート全体の考え方は、別記事(東京23区在住、中学受験しない『中間層』家庭にとっての最適な高校受験戦略)に書いたので、あわせて読んでみてください。
都立にも推薦はある。ただし狭き門で、3年後には大学受験が待っている
都立にも「推薦に基づく選抜」があります。
2027年度入試では1月26・27日に検査、2月2日に合格発表です(東京都教育委員会 実施要綱)。
仕組みは次のとおりです。
- 出願できるのは第1志望の1校だけ
- 全員に個人面接があり、ほかに小論文・作文などから学校が決めた検査を受ける(集団討論は実施する学校のみ)
- 調査書は9教科の評定をそのまま使い、特定の教科に比重をかけない
推薦枠は普通科で定員の2割程度です(例:都立駒場高校)。
2026年度入試の推薦の受検倍率は全体で2.18倍でした。
内申が高くても、半分以上の人は不合格になる計算です。
そして、都立には附属の大学がありません。
推薦で入れても、3年後には大学受験をすることになり、高校でも塾に通うのがほぼ前提になります。
文部科学省の調査では、公立高校生の学習塾費は年平均14万7,140円、3年生では20万6,454円です(塾に通っていない生徒も含めた全国平均。文部科学省 子供の学習費調査 令和5年度・2026年1月訂正版)。
大学付属の私立に推薦で入れば、この大学受験の塾代を高校の学費に回すという考え方ができます。
授業料の助成金が後押ししてくれる

2026年度から、都内在住なら私立高校の授業料は年最大50万1,000円まで、所得制限なしで助成されます。
国の「就学支援金」(年45万7,200円まで)と東京都の「授業料軽減助成金」(年4万3,800円まで)を合わせた金額で、都内私立高校の平均授業料に相当します。
所得制限はありません(東京都私学財団)。
「私立は学費が高いから無理」と最初から私立進学を目標から外していたご家庭にとっては、前提が大きく変わりました。
ただし、気をつけたい点が3つあります。
- 対象は授業料だけです。授業料に施設費や積立費などは含まれず、入学金・施設費・制服代・通学費などは自己負担です。
- 助成額は「実際に払った授業料」が上限で、授業料が年50万1,000円を超える学校では差額が家庭の負担になります。たとえば明大明治の2026年度の授業料は年60万2,400円なので、約10万円は自己負担です(明大明治 2026年度 推薦入試要項)。一方、駒澤大学高校の授業料は年48万3,000円(2025年度参考)で、上限内に収まります(駒澤大学高校 入試情報)。
- 国と都、それぞれに申請しないと最大額まで受け取れません(東京都私学財団)。
志望校を見るときは、授業料ではなく「入学金と施設費など、授業料以外にいくらかかるか」を確認しておくと安心ですね。
とにかく、これまで「都立進学のみ」で考えていたご家庭からすると、一気に選択肢が広がるということになります。
推薦の鍵は「評定」「普段の生活態度」

推薦で一番大事なのは、志望校の内申基準に届く評定を、中3の2学期まで積み上げることです。
大体の学校が2学期の成績をベースに考えます。
2期制の場合、1学期の成績がベースになることが多いです。
大学付属・系属校の推薦基準
基準は学校ごとにまったく違います。
大学付属・系属校の推薦基準を、各校の公式サイトで確認しました(年度の記載がないものは2027年度入試)。
| 学校 | 推薦の内申基準 | 評定平均 | 欠席などの条件 | 加点・特例 |
|---|---|---|---|---|
| 明治大学付属明治 (2026年度) | 学業型:9科38・5科22、2以下なし。課外活動型:9科36・5科20、2以下なし+生徒会長などの実績 | (学業型)9科4.22/5科4.40 (課外活動型)9科4.00/5科4.00 | 中学3年間の欠席合計15日以内 | 加点なし。課外活動の実績で基準が下がる |
| 法政大学高校 | 9科38、2以下なし | 4.22 | 要項で確認 | 要項で確認 |
| 中央大学高校 | 9科37、3年間を通じて1・2なし | 4.11 | 3年間の欠席・遅刻・早退の合計が15未満 | 記載なし |
| 明治大学付属中野 | 9科37・5科21、2以下なし | 9科4.11/5科4.20 | 3年間の欠席合計15日以内、3年次の欠席・遅刻・早退合計7日以内(2026年度要項) | 記載なし |
| 國學院高校 | 3科14・5科22、全教科1・2なし、英検準2級以上が必須 | 3科4.67/5科4.40 | 3年間の欠席15日以内、遅刻・早退15回以内 | 英検が条件 |
| 東洋大学京北 | 推薦A:5科22+「英語5・数学5・英検準2級・数検準2級」のうち2つ。推薦B:5科20 | (推薦A)4.40 (推薦B)4.00 | 9科に2以下なし | 英検・数検が条件の一部 |
| 駒澤大学高校 | 5科20・9科34など、3つの基準のいずれか | 5科4.00/9科3.78 | 要項で確認 | 英検で基準が下がる。区立中による加点あり |
| 専修大学附属 (2025年度) | 男子5科20・9科33、女子5科20・9科34 | (男子)5科4.00/9科3.67 (女子)5科4.00/9科3.78 | 3年次の欠席10日未満 | 検定などの加点項目あり |
| 立正大学付属立正 (進学クラス) | 5科18または9科33 | 5科3.60/9科3.67 | 要項で確認 | 最大+3 |
評定平均は、MARCH付属は4.2前後、駒澤・専修・立正は3.7前後と考えると分かりやすいですね。
基準は毎年見直されます。
必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。
表を見ると、多くの学校が欠席日数も条件にしています。
「普段の生活態度」が、そのまま出願資格になっているということです。
推薦でも落ちることがある
推薦には、基準を満たせばほぼ合格できる学校と、当日の試験で差がつく学校があります。
國學院高校は2021〜2025年度の推薦入試で合格率100%でした(國學院高校 よくある質問)。
一方、明大明治・明大中野・法政大学高校は国数英の適性検査、中央大学高校は5教科の基礎学力調査があり、面接と合わせて合否が決まります(各校の要項)。
中央大学高校は、中学校の先生との事前の入試相談も行っていません(同校入試要項)。
なお、明大明治と明大中野は、推薦で不合格になっても一般入試で5点の加点があります(各校の要項)。
上位の付属校を狙うなら、内申に加えて当日の対策も必要です。
9教科で見られるから、実技も手を抜けない
9科の基準がある学校では、
- 音楽
- 美術
- 保健体育
- 技術家庭
などの副教科も合計に入ります。
主要5教科だけ頑張っても届かないことがありますし、逆に副教科が助けてくれることもあります。
手を抜かずに進めていく必要があります。
評定はテストの点だけで決まらない
評定は、定期テストの点に加え、
- 授業への取り組み方
- 提出物
も含め付けられます。
「普段の生活と勉強をきちんとする」は精神論ではなく、評定の仕組みそのものということです。
少なくとも、中学校2年後期からは自分の今後のことを考え学校での学習態度をきちんとする必要があるということですね。
これに関しては、反抗期とか言ってる場合ではなく、大人になる必要があるということです。
加点で届く学校もある
内申の基準にあと少し届かなくても、検定や学校での活動で届く学校があります。
ただし仕組みは学校ごとにまったく違い、加点のない学校もあります。
立正大学付属立正(進学クラス):最大+3まで加点されます(立正 入試要項)。
- 1年次か2年次の皆勤、または3年間の欠席3日以内:+1(どちらか一方)
- 英検・数検・漢検3級:+1、3級より上の級:+2
- 3年間の部活動継続、主将・部長:+1
- 3年次の都大会出場:+1
- 生徒会役員:+1
駒澤大学高校:英検準2級なら「5科19・9科34」など、2級なら「5科19・9科33」まで基準が下がります。さらに世田谷区立中は9科に+2、目黒区・渋谷区・杉並区立中と狛江市立中は+1です(駒澤大学高校 入試情報)。
明大明治:加点ではありませんが、生徒会長(1期以上)か副会長などの役員(2期以上)、都大会ベスト8以上、都レベル以上のコンクール入賞のいずれかがあれば、9科38の基準が9科36に下がります(明大明治 要項)。
東洋大学京北・國學院高校:英検は加点ではなく条件そのものです。東洋大京北の推薦Aは「英語5・数学5・英検準2級・数検準2級」のうち2つが必要で、國學院は英検準2級以上が必須です。
専修大学附属:検定などの加点項目があります(2025年度要項)。
一方、中央大学高校と明大中野は、公式サイトの要項に加点の記載がなく、内申そのもので基準を満たす必要があります。
こうして並べると、一番多くの学校で効くのは英検です。
中2のうちに準2級を取っておくのが、いちばん手堅い準備といえますが、中2で準2級は結構高い壁です。
そういった意味では、3級でも良いので、英検はできる限り取っておいた方が良いですね。
オール4前後で推薦が狙える私立高校

「でも、さすがに評定平均4~4.2は取るのは厳しい」
という場合、オール4に少し届かないくらい、あるいはそれより下の内申でも、推薦の基準を満たせる私立高校は都内に少なくありません。
調べてみましたので、以下、ご確認ください。
オール4より少し下、平均3.7台が目安の学校は?
各校の公式要項で確認しました(年度の記載がないものは2027年度入試。基準の低い順)。
| 学校 | 推薦の内申基準 | 評定平均 | 欠席などの条件 | 加点・特例 |
|---|---|---|---|---|
| 正則高校 (港区・共学) | 推薦A:3科10または5科16または9科30、9科に1なし | (3科)3.33 (5科)3.20 (9科)3.33 | 出席状況が良好であること | 加点あり(内容は学校説明会で説明)。基準に届かなくても第一志望なら推薦B(適性検査あり)で出願可 |
| 京華高校 (男子校・2026年度) | A推薦:進学コース3科11または5科17、特進コース3科12または5科20 | 進学:(3科)3.67/(5科)3.40 特進:(3科)4.00/(5科)4.00 | 要項で確認 | クラブ活動や検定3級以上で加点 |
| 東京成徳大学高校 | 推薦Ⅰ:進学コース5科17、進学選抜コース5科19、特別進学コース5科22 | (進学)5科3.40 (進学選抜)5科3.80 (特別進学)5科4.40 | 3年次の全教科に1・2なし、3年間の欠席が原則20日以内 | 英検3級以上で5科に+1 |
| 自由ヶ丘学園 | 推薦1:アカデミックコース9科32または5科18、アドバンスコース9科34または5科19、9教科に1なし | (アカデミック)5科3.60/9科3.56 (アドバンス)5科3.80/9科3.78 (推薦2・参考)5科3.20/9科3.11 | 3年間の欠席30日以内程度 | 9科は最大+3、5科は最大+1。基準に届かなくても推薦2(5科16または9科28、適性検査あり)で出願可 |
| 八雲学園 | 進学コース5科18または9科33、特進コース5科21、9教科に1なし | 進学:(5科)3.60/(9科)3.67 特進:(5科)4.20 | 要項で確認 | 9科は最大+2(英検準2級以上を含めば+3) |
| 玉川学園高等部 (一般入試の専願優遇) | 5科20または9科34 | (5科)4.00 (9科)3.78 | 3年次の欠席10日以内、3年次の9科に2以下なし | 記載なし |
| 日本大学櫻丘 (2026年度・総合進学) | 9教科すべて3以上、かつ5科20 | (5科)4.00 ※9教科すべて3以上も必要 | 要項で確認 | 要項で確認 |
| 日本大学豊山女子 (N進学・理数S) | 9教科すべて3以上、かつ5科19または9科35 | (5科)3.80 (9科)3.89 ※9教科すべて3以上も必要 | 3年次の欠席20日以内 | 最大3ポイント(英検・漢検・数検の準2級以上+2、3級+1、部活動・生徒会の実績など+1) |
| 東海大学付属高輪台 | 5科20または9科35(全教科に1・2なし)が目安 | (5科)4.00 (9科)3.89 | 各学年の欠席が原則10日以内 | 英検・漢検・数検の準2級以上、部活動・生徒会の顕著な成果で加点 |
| 日本大学鶴ヶ丘 (2026年度・総進コース) | 5科21または9科35、3年次の9科に2以下なし | (5科)4.20 (9科)3.89 | 要項で確認 | 条件を満たせば基準緩和(5科は-1、9科は-2まで) |
| 日本大学第二 | 9科35かつ5科20 | (9科)3.89かつ (5科)4.00 | 要項で確認 | 英検・漢検・数検の準2級以上、運動・文化・生徒会の実績を採点時に加点(出願基準には算入しない) |
前の表の
- 駒澤大学高校(5科20・9科34など)
- 専修大学附属(男子9科33、女子9科34)
- 立正大学付属立正(5科18または9科33)
も、このゾーンに入ります。
大学付属は少ないですが「一般入試でなく推薦入試で進路を決定できる」という点においては、非常にメリットがあるのではないでしょうか?
このゾーンの学校で知っておきたいこと
これらの学校を目標に据えた場合に知っておきたい事を以下の通りリストアップします。
評定の加点など知っておいて損はない情報ですので、一読いただけると、この戦略の考え方の参考になると思います。
- 入試相談の有無が学校で違います。
東海大高輪台は2026年12月15・16日に中学校の先生との入試相談があり、基準に届かない場合も相談できるとしています(東海大高輪台 入試情報)。
一方、日大二高は個別の入試相談を行っていません(日大二高 高校入試情報)。 - 推薦でも当日の試験はあります。
東海大高輪台は作文とグループ面接、日大二高は作文と面接、日大豊山女子は国数英の適性検査です(各校の要項)。
日大二高は、推薦で不合格になっても一般入試(A志願)で、A志願者全員の3教科平均点の15%を加点します(日大二高 推薦入試受験資格・加点対象)。 - 基準に届かなくても受けられる推薦があります。
正則高校の推薦Bは、推薦Aの成績基準に届かなくても第一志望なら出願でき、適性検査と面接で選考します(正則高校 募集要項)。
自由ヶ丘学園の推薦2は5科16または9科28から出願でき、適性検査(英国数)と面接で選考します。
ただし総合評価で不合格になる場合があるので、一般入試との併願も考えるよう学校が案内しています(自由ヶ丘学園 入試要項)。 - 加点の項目がとても細かい学校もあります。
自由ヶ丘学園の推薦1は、次のように加点します。
+2:生徒会長、英検・数検・漢検の2級以上、全国レベルの大会の上位
+1:3年間皆勤、英検など準2級、部長や部活動の3年間継続、都県レベルの大会の上位
2項目で+1:3年次の皆勤、生徒会役員・委員長・体育祭役員、英検など3級
八雲学園は、英検準2級以上で+2、英語の評定5、英検3級、漢検・数検3級、部活動3年間継続、生徒会役員、都大会出場、3年間の欠席3日以内がそれぞれ+1です(八雲学園 高等学校募集要項)。 - 授業料は学校で差があります。
東海大高輪台の授業料は年42万円で、助成の上限内です。
日大豊山女子は年52万8,000円で上限を約3万円、八雲学園は年58万8,000円(2026年度)で約9万円上回ります(各校の要項)。
八雲学園は授業料のほかに、1年次の臨地教育費が44万2,000円かかります(2026年度)。
東海大高輪台は公式サイトで、授業料の支援を受けても、3年間の費用は私立のほうが公立より約90万円以上多くなるのが一般的だと説明しています。
施設費・制服・修学旅行・通学費などが主な差です。 - 日大の付属校は、日本大学への推薦が進路の軸です。
たとえば日大鶴ヶ丘は、総進コースは主に学校推薦型選抜で日本大学や他大学への進学を目指すと説明しています(日大鶴ヶ丘)。
だから、あえて集団塾に行かなくていい

ここまで解説した戦略のように「推薦ルート」を目標にするならば、必要なのは
- 日頃の生活態度
- 定期テストで取りこぼさない学習習慣
- 分からないところをその都度つぶす学習方法
です。
その場合、あえて集団塾に通塾する必要はありません。
集団塾の一番の役割は、入試当日の点数を上げることです。
カリキュラムも模試も、そのために組まれています。
しかし、私立推薦では、当日の学力試験がほとんど関係ありません。
その部分に教育費を支払う必要がないんです。
今回の戦略の場合、集団塾より個別指導塾や家庭教師のほうが合っています。
個別指導塾や家庭教師は、普段の学習の分からない部分をピンポイントで教えてもらい、理解を深めていく指導方法です。
各家庭で利用時間や頻度もコントロールすることができるのもメリット言えます。
参考までに、文部科学省の「子供の学習費調査(令和5年度、2026年1月訂正版)」では、公立中学生の学習塾費は年平均23万385円、中3では34万1,220円です(塾に通っていない家庭も含めた全国平均。文部科学省)。
この金額を、個別指導塾や家庭教師で必要な教科と回数にしぼって使うとイメージしやすいと思います。
家計に合わせた選び方
集団塾は問答無用で塾側のスケジュールで学習が進んでいきますが、個別指導塾や家庭教師は各家庭の予算やお子さんの状況でコントロールすることができます。
特徴は以下の通りです。
- 通塾の個別指導塾:先生1人に生徒1〜3人。学校の近くで通いやすく、自習室を使える教室もあります。定期テスト対策の仕組みが整っているところが多いです。
- 家庭教師(訪問):完全に1対1。部活や生徒会で忙しく、通塾の時間が取りにくい子に向いています。
- オンライン家庭教師:移動がなく、時間の融通がききます。家で集中できる子なら、費用を抑えやすい選択肢です。
教科も全部である必要はありません。苦手な1〜2教科だけ、定期テスト前だけ回数を増やす、という使い方で十分に効果が出ます。
合わないと感じたら、臨機応変に変更することが可能
個別指導は先生との相性が大きく、同じ塾でも先生が変わるだけで結果が変わります。
定期テストで一教科が大きく崩れたら、それはテコ入れのサインです。
「せっかく通っているから」と様子を見るより、教室や先生、塾そのものを早めに見直すほうが、評定への影響を小さくできます。
高校受験でおすすめの個別指導塾・家庭教師5選

定期試験対策をしっかりやってくれるおすすめの個別指導塾・家庭教師を紹介します。
- 通いやすい教室があるなら個別指導塾
- 部活や生徒会で忙しいなら家庭教師
- 費用を抑えたいならオンライン
が選び方の基本です。
推薦ルートで見るべきポイントは、
- 「定期テスト対策の仕組みがあるか」
- 「苦手な1〜2教科だけでも受けられるか」
- 「先生を替えてもらえるか」の3つです。
合格実績の大きさより、こちらを優先して選んでください。
どこも無料体験があるので、2〜3社を比べてから決めるのがおすすめです。
| サービス | 指導形式 | 特徴 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| 東京個別指導学院(関西個別指導学院) | 通塾の個別指導。1対1か1対2を選べる | ベネッセグループ。入会金不要、1科目から受講できる | 近くの教室で、定期テストをしっかり見てほしい |
| 個別教室のトライ/家庭教師のトライ | 完全1対1。通塾・訪問・オンライン | 先生の交代は何度でも無料。教育プランナーが学習計画を立てる | 先生との相性を一番大事にしたい |
| スクールIE | 通塾の個別指導。1対1か1対2、担任制 | 個性診断(ETS)と学力診断(PCS)で教え方を決める。定期テスト・内申対策、英検対策のコースあり | 子どもに合った教え方を見つけたい |
| 家庭教師の銀河 | オンラインか対面 | 学年で料金が変わらない。LINEで質問でき、映像授業も使える | 費用を抑えつつ、家庭学習の習慣をつけたい |
| 家庭教師のラスト | 完全1対1。訪問・オンライン | 講師のランクを選んで料金を調整できる。PC・手元カメラの貸し出しあり | 予算に合わせて先生を選びたい |
東京個別指導学院(関西は関西個別指導学院)
通塾の個別指導
先生との相性を自分で選べる、ベネッセグループの個別指導塾です。
個別指導ひとすじで35年以上続く、ベネッセグループの個別指導塾です。指導は先生1人に生徒1人か2人で、どちらかを選べます。
特徴は「担当講師制度」です。何人かの先生の授業を受けてから担当を選べ、合わないと感じたら変更も相談できます。カリキュラムは一人ひとりに合わせて組み、当日の連絡でも授業の振替に対応してくれます。
部活や学校行事で予定が動きやすい中学生には、この振替の柔軟さが効きます。定期テスト前だけ回数を増やすなど、学校の予定に合わせた使い方がしやすい塾です。
こんなご家庭に向いています
- 近所の教室に通わせたい
- 先生との相性を一番大事にしたい
- 部活で予定が変わりやすい
近くの教室
上の「現在地から近くの教室を表示する」を押すと、最寄りの教室がここに表示されます。
※キャンペーンを実施していることがあるので確認してみてくださいね。
スクールIE
通塾の個別指導
性格と学力の診断から、その子専用のテキストを作る個別指導塾です。
「個性別指導」を掲げ、無料の性格診断と学力診断の結果から一人ひとり専用のテキストを作ります。テキストは4か月ごとに見直され、成長に合わせて内容が変わります。
完全担任制で、保護者への連絡もこまめです。塾に通うのが初めての子や、勉強のやり方から整えたい子に向いています。
定期テストで点を取りこぼす原因が「勉強のやり方」にある子は、まず診断で弱点と性格に合った進め方を知ると、評定の伸びにつながりやすくなります。
こんなご家庭に向いています
- 塾に通うのが初めて
- 何から手をつければいいか分からない
- 保護者も様子をこまめに知りたい
近くの教室
上の「現在地から近くの教室を表示する」を押すと、最寄りの教室がここに表示されます。
※お得なキャンペーンを実施していることもありますのでチェックしてみてください。
個別教室のトライ/家庭教師のトライ
通塾・訪問・オンライン
教室・自宅・オンラインの3つから選べる、マンツーマンのトライです。
教室に通う「個別教室のトライ」、先生が自宅に来る「家庭教師のトライ」、自宅から受ける「トライのオンライン」があり、家庭の事情に合わせて選べます。
教育プランナーが学習状況を聞き取ったうえで、先生とカリキュラムを決める方式です。相性が合わなければ、先生の交代は無料です。
苦手な1教科を集中して立て直したいときに、マンツーマンは効率のいい形です。定期テストの範囲に合わせて内容を組み替えてもらう使い方ができます。
こんなご家庭に向いています
- 苦手教科をピンポイントで立て直したい
- 通塾・訪問・オンラインを状況で選びたい
- 先生との相性を重視したい
近くの教室
上の「現在地から近くの教室を表示する」を押すと、最寄りの教室がここに表示されます。
※お得なキャンペーンを実施していることもありますのでチェックしてみてください。
家庭教師の銀河
家庭教師(訪問・オンライン)
授業のない日も課題が届き、家で机に向かう習慣をつくる家庭教師です。
授業のない日もLINEで課題が届き、自分から机に向かう状態を作ることを目標にしたサービスです。訪問とオンラインを選べ、全国に対応しています。
料金は30分単位の回数制で、学年が上がっても単価が変わりません。きょうだい同時の指導には割引もあります。
評定は毎日の積み重ねで決まります。家で勉強する習慣がまだない子が、定期テストの勉強を自分で回せるようになるまでの土台づくりに向いています。
こんなご家庭に向いています
- 家で勉強する習慣がまだない
- 費用を抑えて始めたい
- 部活で通塾の時間が取りにくい
家庭教師のラスト
オンライン家庭教師
指導日以外も先生が毎日課題を出し、進み具合を管理する家庭教師です。
指導日以外も講師が毎日課題を出して進捗を管理する、プッシュ型のサポートが中心です。
手元カメラで解いている途中の手元を見ながら添削するため、答えは合っていても解き方が不安定な子のつまずきを拾いやすい方式です。講師のランクを選んで、料金を調整することもできます。
自分ひとりだと課題をため込みがちな子は、毎日の声かけがあるだけで、定期テスト前の追い込みがぐっと楽になります。
こんなご家庭に向いています
- 自分だけだと勉強をさぼってしまう
- 親が毎日見てあげる余裕がない
- 解き方の途中から見てほしい
いつ、何をすればいいか

勝負は中3の2学期の評定ですが、その土台は中1・中2の普段の積み上げで決まります。
早く始めるほど、選べる学校が増えます。
- 中1〜中2:
定期テストで取りこぼさない学習習慣をつくる。苦手教科が出たら、すぐ個別指導や家庭教師でテコ入れする。欠席や遅刻を減らす。英検は準2級を目標に。 - 中2の終わり〜中3の夏:
学校説明会や見学に行き、志望校の内申基準・欠席の条件・加点の有無を確認する。今の評定との差を把握する。 - 中3の1学期〜2学期:
基準を意識して定期テストと提出物、授業態度を固める。2学期の評定が推薦の判断材料になります。 - 中3の12月中旬:
中学校の先生と私立高校との入試相談。たとえば駒澤大学高校は12月15日〜18日です(駒澤大学高校 入試情報)。入試相談を行わない学校もあります。 - 中3の1月22日:
私立高校の推薦入試。2027年度入試では、中央大学高校・駒澤大学高校・國學院高校・明大中野などがこの日です。
中2の今から始めても、十分に間に合います。
この進め方が向いている家庭、向かない家庭

この進め方がハマるのは、
- 「東大・早慶・国立に強くこだわらず、日東駒専クラス以上の大学に堅実に進んでほしい」
と考えるご家庭です。
向いている家庭
- 塾に大きなお金はかけられないが、子どもには一定の学歴を持たせたい
- 子どもが本番の一発勝負より、コツコツ型
- 部活や学校行事も大事にしながら、高校受験を乗り切りたい
別の道を考えたほうがいい家庭
- 東大・早慶・国立大を目指す。この場合は都立上位校や難関私立の一般入試が中心になり、集団塾の役割が大きくなります。
- 内申は取りにくいが、テスト本番には強いタイプ。当日点で勝負できる都立の一般入試のほうが合っています。
- 学びたい分野がはっきりしていて、付属先の大学にその学部がない。
もう一つ、大学付属校でも全員が内部進学するわけではありません。
中央大学高校は内部進学90%以上としています(中央大学高校)。
一方、國學院高校から國學院大學への推薦は約120名の枠があるものの、利用するのは例年3年生の20%前後です(國學院高校 よくある質問)。
「付属に入れば塾はいらない」が成り立つのは、内部進学が中心の学校の場合です。
説明会では「内部進学率」と「外部の大学を受けた場合に推薦の権利がどうなるか」を必ず聞いておきましょう。
我が家の場合

我が家の次男は、中学に入ってからは個別指導塾だけで中2の評定平均を4.2前後まで上げてきました。
小学校の低学年から中1までは、通塾とオンラインを選べる個別指導塾に通っていました。評定はおおむね3.8〜4で推移していました。
ところが中1の後半、ある教科の定期テストが平均を大きく下回りました。
ここで様子を見ずに、中2から別の個別指導塾に移りました。すると次の定期テストから持ち直し、中2で評定が一段上がりました。
部活や学校の活動にも関わりながら、休まず学校に通っています。
推薦で見られる「普段の生活態度」は、こうした毎日の積み重ねだと感じています。
もちろん、推薦で使うのは中3の評定なので、勝負はここからです。
受験が終わったら、この記事でまた結果をご報告します。
最後に
東京に住んでいて、東大・早慶・国立に強くこだわらないなら、高校受験は「私立推薦」を軸にすることで、ぐっと見通しが立ちやすくなります。
- 都立ではなく、私立を第一志望に据える
- 授業料の助成で、私立のハードルは下がっている
- 推薦の鍵は、評定と普段の生活態度
- そのために集団塾は必須ではなく、個別指導や家庭教師を家計に合わせて選べばいい
「高校受験をどう進めればいいか分からない」「塾に大きくお金をかけられない」。そんなご家庭でも、早めに動けば道はちゃんとあります。まずは気になる個別指導塾や家庭教師の無料体験から始めてみてください。





