いつの時代も受験生が向き合っていかなくてはならないのが『偏差値』です。
世の中的には批判されることも多い偏差値ですが、
- 数字で表されるため『自分の位置を確認する目印』として分かりやすく
- 客観的な基準となるため
これだけ批判されても、いまだに評価基準として根強く利用されています。
つまり『志望校の合格』を掴み取るためには、偏差値を志望校のレベルまで引き上げていくことが、今の所もっとも手っ取り早いということになります。
しかし、偏差値はただ漠然と勉強をしていればグングン右肩上がりに伸びていくものではありません。
効率的に伸ばしていくためにはどんな方法があるでしょうか?
この記事では「偏差値をあげるためにはどんな方法があるか?」詳しく解説していきます。
この記事を読んでわかること
- 偏差値を効率的にあげる5つの方法とは?
もくじ
偏差値目標をどこに設定するか?まずは自分の偏差値を知ろう
学習を始めるにあたって大事なのは『目標設定』です。
「志望校はどこにするか?」は現時点では分からないかもしれませんが、
- 偏差値を50にする
- 偏差値を60にする
という目標は立てやすいですよね?
偏差値目標を立てるにあたり、まず自分の現在の偏差値を知る事が大事です。
集団塾に通っている場合は、塾内の模試の偏差値を確認してみましょう。
塾に通っていない場合は、外部模試を受けて
- 「学力的にどの位置にいるか」
- 「どの部分が強くて弱いか」
をチェックしていきましょう。
中学受験には、以下のように様々な外部模試があります。
各模試、難易度も受験者数も違います。
お子さんのレベルに合わせて活用するようにしましょう。
よく分からない場合は、とりあえず首都圏模試、四谷大塚の合不合判定テスト、日能研の全国公開模試は受験者数が多くお子さんの位置を把握しやすい模試なので受けるようにしましょう。
皆さんご存じだとは思いますが、
- 偏差値は50を平均と考えます。
単純にそれよりも高ければ『平均よりも学力が高い』、低ければ『学力が低い」ということになります。
- 偏差値65=上位10%程度
- 偏差値60=上位20%程度
という感じですね。
ただし、注意しなくてはならないのが中学受験の場合、偏差値が50以下だったとしても落ち込むことはないということです。
中学受験は母集団が少ないので中学受験偏差値が45だったとしても、同級生のほとんどが参加する高校受験では10~15くらい偏差値が上がって55~60くらいになります。
偏差値というのは相対評価になりますので『参加している母集団の中でどのくらいか』という評価になります。
中学受験をする層は、その同世代の中で一握りの学力の高い層なのでその中で偏差値が低かったとしても、世代全体で考えた場合平均以上になります。
正しい判断をする意味でしっかり押さえておきましょう。
関連記事:【私立中学受験】偏差値40台の私立中学に進学する意味あるの?おさえるべき5つのポイント
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まずは基礎を積み上げよう。本番で確実に得点するために基礎をブラッシュアップ
これもよく言われることですが、誰しも偏差値を一気にあげようと
- 応用問題をスムーズに解くためのテクニック
をマスターすることに走りがちです。
しかし、それは効率的ではありません。
- 難しい問題を解くためにテクニックをマスターする
よりも
- 簡単な問題を確実に解くために基礎をマスターする
ほうが効率的です。
そりゃ難しい問題を解くよりも、基礎問題を解く方が簡単ですし確実ですものね。
『でも、基礎問題だけじゃライバルと差がつかない』
と考えたあなた。
もちろんそれも正解です。
しかし、難しい問題を解くのは基礎を固めたあとにしたほうがスムーズに頭に入ってきますし、より強固な知識となりあなたを守ってくれます。
基礎がしっかり固まっていない状態で応用問題やテクニックに手を出すことは、
- 外見だけキレイなハリボテの家を建てるようなものです。
ハリボテの家はちょっと風が吹いたら壁に穴があき吹き飛んでしまいます。
まずはコツコツと基礎工事をし内側からしっかり丁寧に作り、最終的に外側をキレイに仕上げた方がどんな環境にも強い家になりますよね。
学習もそれと同じです。
- 基礎をしっかり固めコツコツ積み上げ結果として応用問題まで辿り着いたら、それをより効率的に解くためにテクニックを勉強する
「結果として」応用問題やテクニックをマスターすることが大事なんですね。
そして、ライバルと差をつけることができます。
まずは基礎を積み上げ、ブラッシュアップ(磨き上げ)していきましょう。
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模試で間違った部分を徹底的に復習。反復学習を丁寧に。
外部模試を受けたら
- 点数が良い悪い
- 偏差値がどのくらいか
に一喜一憂するだけでなく、できなかった部分をチェックし重点的に復習しましょう。
できる教科を伸ばすよりも、できない教科を徹底的に学習するほうが伸びやすいのは皆さんお分かりになると思います。
お子さんの学力に穴がないよう、少なくとも基礎問題で失点することのないように弱点を徹底的につぶしていきましょう。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス「忘却曲線」をご存知でしょうか?
人間の記憶定着率を数値化したグラフがあるのですが、
- 1時間後には56%
- 1日経つと約70%
- 1週間経つと約80%弱
は忘れてしまうと言われています。
1時間後に56%も忘れちゃうんだね......
非常に残念ですが、そういうことなんです。
記憶には短期記憶と長期記憶があります。
この二つの違いは
- 「数時間~数週間で忘れてしまう記憶」か
- 「数ヶ月~数年もつ記憶」か
の違いです。
英単語や暗記科目などの勉強は短期記憶に属するものが多いですね。
- 単語単体だと本人にとって無意味な文字の羅列に見える(単語の意味しか分からない)
- 単調で同じようなものが多い。
- 覚える情報量が多い。
このような理由で無理やり頭に入れているケースが多いので、一旦覚えても数時間で忘れてしまう可能性の方が高いです。
このように単調な記憶は、短期記憶なので一度覚えても忘れてしまいます。
これを長期記憶にする必要があります。
これには何度も反復することによって脳に「これは重要な事ですよ」と判断させる必要があります。
ですから、何度も繰り返し復習をやるしかないんですね。
冒頭に申し上げた通り「学問に王道なし」でしてコツコツ何度も繰り返し学習に取り組むことが大事ですね。
難しい問題は捨てる
前項で、
- 基礎をしっかり固め、コツコツ積み上げ、結果として応用問題まで行きつき、それをより効率的に解くためにテクニックを勉強する
と書きました。
「最終的に応用問題・テクニックを必要とする問題を学習すること」をおすすめしましたが、どんな勉強しても苦手な教科は出てきてしまいます。
そして難しくて解けない問題も出てくるでしょう。
模試で難しくて解けない問題に出会ってしまったら
- 少し解いてみて「無理だ」と思ったら時間をかけずに捨てましょう
このように「行く・やめる」の判断を自分でできるようになることはとても大事なことです。
本来であれば時間を気にせず難しい問題と向き合うことが学習の醍醐味であるわけですが、残念ながらテストには制限時間があります。
時間を気にしないわけにはいきません。
テストにおいては「時間をかけたあげく解けなかった」のでは意味がありませんから「問題を捨てる」タイミングが非常に大事になります。
その分の時間を他の問題や、より確実に得点するための見直しに充てられるわけですからね。
悔しいですが『今の自分で対応できる問題かどうか』見極めることも偏差値アップのための近道といえます。
塾・予備校を適材適所で効率的に利用する
偏差値を上げていくために、もし費用的に可能であれば『塾・予備校』を利用することをおすすめします。
もちろん塾・予備校を利用せずに偏差値をアップしていけることが費用的にもベストですが、やはりプロに任せたほうが最短距離で目標に近づけます。
塾に形態によってメリット・デメリットがあります。
塾形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
個別指導塾 | ・生徒1人1人に合わせたカリキュラムを組んでくれるので、基礎力がついていない子・集団塾の授業についていけない子には最適。 ・集団塾と違いマイペースに学習できる。周りに流されてしまったり、大人数だと集中できない子には最適。 ・少人数なので待たずに質問できる。集団塾で分からなかったところを詳しく質問できるので併用も有。 ・受講時間・日時もある程度、利用者側で設定できるので、ほかの習い事が忙しい子でも受講しやすい | ・料金が割高。 ・生徒が少ないので、自分の学力がどの程度なのか把握しづらい ・塾によっては、受験情報などが少ない場合が有 ・競争が少ないので、勉強へのモチベーションを保ちづらいかもしれません。 |
集団塾 | ・基本的にプロ講師の授業なので、レベルの高い学習指導を受けることができる ・塾によるが、基本的には1回あたりの料金は割安 ・生徒が多いので、自分の学力がどの程度なのか把握しやすい ・ライバルが多いので、モチベーション高く学習することができる | ・塾・講師主体で授業が進んでいくので授業についていけなくなってしまうことがある ・受講時間・日時が決められているので予定が塾主体となる。他の習い事などがあると調整する必要あり。 ・大人数で授業を行うため気が散りやすい。また、他の子の発言などでペースを乱されることがある |
家庭教師 | ・生徒1人1人に合わせたカリキュラムを組んでくれるので、基礎力がついていない子・集団塾の授業についていけない子には最適。 ・集団塾と違いマイペースに学習できる。周りに流されてしまったり、大人数だと集中できない子には最適。 ・マンツーマンなので待たずに質問もできる。集団塾で分からなかったところを詳しく質問できるので併用も有。 ・受講時間・日時は利用者側で設定できるので、ほかの習い事が忙しい子でも受講しやすい ・通塾時間を省ける。(送迎の手間が省ける)自宅に来てくれるので子供の体力面への負担が少ない ・個別指導塾より安いので『集団塾と併用』しやすい | ・料金が集団塾より割高。 ・マンツーマンなので、自分の学力がどの程度なのか把握しづらい ・受験情報などが少ない ・競争が少ないので、勉強へのモチベーションを保ちづらいかもしれません。 ・自宅に人を招くので気を遣う(お茶出し。掃除など) ・交通費などプラスアルファの経費 |
このように塾といっても形態によって、学習環境がバラバラです。
- ライバルと切磋琢磨した方が学習に集中できるタイプ⇒集団塾
- マイペースにコツコツ積み上げたいタイプ⇒個別指導塾・家庭教師
- 受験情報なども併せて知っておきたい⇒集団塾
- 受け身でなかなか質問ができない⇒個別指導塾・家庭教師
- 他の習い事も忙しく定期的に通塾が難しい⇒家庭教師
といったように、お子さんの性格や状況に合わせて選択すれば良いです。
このサイトでは、各形態の塾・予備校についてかなり詳しく解説していますので、もしよろしければ以下の記事を参考にしてみてください。
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最後に
この記事では、偏差値を効率的にあげる5つの方法を解説しました。
記事内でもお伝えしたとおり、本来学習とは時間にしばられず『自分の知りたい事を探究する』ことですが、残念なことに受験には制限時間があります。
こればかりは我々では変えることができないことです。
偏差値をあげていくためには、時間を意識してより効率的に学習をしていくことが大事になります。
時間は元には戻せませんので、今できる最大の努力をしていきたいですね。